
『起きていることはすべて正しい』勝間和代著、
このタイトルは、当たり前のことなのです。
ただし、辛い、逃げたい、失敗したような状況の場合、本当にグサッとくる言葉です。
人生で楽しいことや嬉しいことがある場合は、喜んで、起きていることはすべて正しいと受け入れられるのに。
この「起きていることはすべて正しい」とは、いったいどういうことでしょうか。
現状起きていることを否定したり、こうだったらいいのにな、と夢想したりしても仕方がない。
だから、起きていることをありのままに受け止めて、そこから何を学び、どのように行動すれば、今を最大限に活用できるかを考える、ということだそうです。
起きるはずじゃなかった、という都合の悪いことが起きると、反射的にこんなはずじゃなかった、これは間違いだと全力で否定してしまいます。
本当は、こうなるはずだったんだ、と起きてほしいことにばかり意識を向けて、現実ではないことばかり考えます。
もしかして、そこで、誰かのせいでこうなった、あの人のせいでこんなに辛いのかもしれない、とゆがんでいびつな考えに陥ることもあるかもしれません。
いろいろ人のせいにしたり、社会のせいにしたり、失敗のために自分を必要以上に責めたりしがちです。
そうしたところで、現実が変わることは絶対にないと、勝間さんは言い切ります。
起きていることは、起きた時点で現実になっています。
それだから、真正面から受け止めるしか選択肢はないのです。
辛くても、目を背けたくなりますが、一体何が起きたのか、逃げないで自分の目でみるのです。
辛い。
本当に辛い。
把握をする。
そうしたら、学びや気づきが出てきて、不運を幸運に帰るチャンスがつかめるのだそうです。

勝間和代さんが20代前半までは、起きていることを否定しまくった生活だったそうです。
現実を正面から受け止められるようになったのは問題解決能力やコントロール思考、コミュニケーションについてなど学んで実践した結果なのだそうです。
できるようになったのは40歳前後。
そうすると、ざっと20年近くかかったということでしょうか。
勝間さんも20年かかる。
しかし、これらのことを学んで実践していけば、乗り越えられる壁なのだ、とも考えられます。
どんな思考や問題解決の具体的な方法がまとめられているので、安心感もあります。
ただ、心を強くするのだ!とか、今は我慢だとか、ではなくて、しっかりみる。
客観的にみてみるということが大事で、自分を卑下したり、責めたりする思考ではないのです。
やれば、だれでも、起きていることはすべて正しく、そこから、幸せを見つけられるのです。